2017年7月5日九州北部豪雨からの提言

お天気っと?

2017年7月5日九州北部豪雨において被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

災害から1週間

7月12日で九州北部豪雨から1週間が経ちました。

北陸地方にあった梅雨前線が7月5日に西日本に南下し、7月5日朝に島根県西部に「大雨特別警報」が発表されました。

その後、更に南下した梅雨前線は九州北部で停滞し、福岡県の中央部に位置する朝倉市から大分県北部の日田市付近に大雨をもたらしました。7月5日夜までには福岡県と大分県の大部分に「大雨特別警報」が対象範囲となりました。

出典:気象庁ホームページ(一部加工しました)

土砂崩れや河川の氾濫が多発し多くの犠牲者が出てしまいました。

(被害状況の詳細は「平成29年7月九州北部豪雨」を参照下さい)

1週間が経ち道路が寸断され孤立した集落は解消しつつあると少しホッとした情報も入ってくるようになりましたが、死者29名、連絡が取れていない方が20名(7月12日現在)と近年稀に見る惨事となってしまいました。

当日の気象状況

梅雨末期は激しい雷雨が起こり易いのですが、ここまでの記録的な豪雨になぜなってしまったのでしょうか。色々な要因が重なったと言えます。

ニュースでも伝えていましたが「線状降水帯」によって狭い地域に猛烈な雨が長く続いてしまったことが災害につながりました。

なぜ、線状降水帯が続いたのか当日の気象情報から推測してみました。

  • 梅雨前線が停滞した
  • 梅雨前線が停滞した場所が福岡県と佐賀県の間の山岳地帯(脊梁山脈)付近だった
  • 梅雨前線に吹き付けえる南寄りの湿った風が脊梁山脈にぶつかって上昇気流を生み出した
  • 上昇気流により雷雲が発生した
  • 上空に寒気があり雷雲が発達した
  • 寂寥山脈を回り込んだ北寄りの風が南寄りの風とぶつかって上昇気流を更に活発にさせた(風向収束と言います)
  • 活発になった上昇気流によって雨雲が更に発達した
  • 発達した雨雲は1時間程度で移動するが湿った風の供給を受けて雷雲が続けて発生・発達を繰り返した(マルチセル型と言います)
  • 次々とやってくる発達した雨雲によるとても強い雨が長く続いてしまった

 

出典:ウィキペディア(一部加工しました)

想定以上の雨量

今回の猛烈な雨は想定以上だったと思います。福岡県朝倉市の気象庁のアメダス地点「朝倉」のデータを見ますと、降り始めた7月5日9:00から13時間で500mmを超えています。特に雨が強くなった12:00からの5時間で300mmという猛烈な雨に見舞われています。被災の状況を見ますと山肌は至る所で崖崩れが発生し、河川はあっという間に「氾濫危険水位」を超えたと見られます。

データ:気象庁ホームページ

気象庁以外の雨量計では、朝倉市寺内で14:10-15:10の1時間で169mmの激烈な雨を観測しました。バケツをひっくり返したような大雨が本当に1時間続いたと想像できます。ここまでの雨は想定していなかったと思いますが現実になっているのです。

災害からの教訓

「大雨特別警報」が発表された場合、お住まいの地域は数十年に一度の、これまでに経験したことのないような重大な危険が差し迫った異常な状況に既にある。ということです。

「『大雨特別警報』が発表されたら、ただちに地元市町村の避難情報に従うなど、迅速に適切な行動をとってください!河川はもとより裏の傾斜地・田畑など”絶対”に見に行かないで下さい!」

 

日頃から防災意識を持って頂くとともに、最新情報を常に把握できるようにしてください。

気象予報士として、少しでも被災される方が少なくなるよう、これからも取り組んでいきたいと思っています。


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